彼の父、スルタン・Hamengkubuwono IX。
その葬儀には、400万人が列をなし、
日本から鹿島平和賞も贈られたという。

“Memayu hayuning buwana”
――世界の調和と美を守り、育むこと。

その言葉とともに育ったGusti。
王宮の柱の影で、彼は幼い頃から
「力」と「やさしさ」の両方を見てきた。

ジョグジャカルタ。
私に“平和とは何か”を教えてくれた街のひとつでもある。

「心の友」を一緒に歌った思い出。
子どもたちと花火を見上げたひととき。
甘いパイナップルを頬張った時間。

彼の存在そのものに、
あたたかな“平和への思想”が息づいている。