まるでサラスヴァティーのように、
多彩な世界の奥に、一本の真理を見つめている伊藤先生。
9歳のときに、考古学を通じて心を通わせた親友は、90歳だったという。
その出会いのように、
彼の歩みには、時間を超える対話がある。
生薬や考古学の専門家として、
自然を“教科書”のように読み解いてきた。
伊藤若冲の末裔でもある。
筆の代わりに、
目に見えない生命のつながりを描き出す。
世界遺産を巡るときも
彼は地図の上ではなく、
もっと深い場所を歩いているようで
その話を聞いていると、
私の心にも、遠い旅の香が吹き抜ける。
――また鎌倉で、ビーチコーニングをしたいなぁ。
